カラースタディとは、ディテールを無視して色だけに集中する、小さく手早い習作のことです。リファレンスをいくつかの形に単純化します。それぞれの形について、まず明度を合わせ、次に色相、そして色温度と彩度を合わせます。一つひとつの色を単独で塗るのではなく、色と色の関係を塗ります。目的は絵を完成させることではなく、色をはっきりと見ることです。
目次
- カラースタディとは何か、そして何ではないか
- カラースタディとバリュースタディ
- カラースタディを機能させる順序
- 色ではなく、関係を塗る
- 小さく描く
- 写真からカラースタディを行う方法
- 巨匠の絵からカラースタディを行う方法
- 写真から色を合わせるのがなぜ難しいのか
- Undertoneが「見ること」を一瞬にする仕組み
カラースタディとは何か、そして何ではないか
カラースタディとは、完成作に取りかかる前に色を探るために描く、小さく手早い習作です。製品ではなくテストです。Draw Paint Academyのカラースタディ解説が述べるとおり、カラースタディは「ほぼ色の配置だけに集中」するものであり、「その目的は美しい絵を作ることではなく、さまざまな色の配置を探って試すこと」にあります。
この目的の切り替えこそが、この手法を成り立たせています。完成した絵を目指さなくなると、画面を守ろうとしなくなります。速く、平坦に、おおらかに塗り、失敗したものは捨て、ただ眺めるだけでは決して身につかないやり方で対象の色を覚えていきます。カラースタディは、失敗が何のコストにもならない場所で、あえて失敗をする場所なのです。
そしてカラースタディは、意図的に不完全です。エッジ、質感、デッサン、ディテールは無視します。それらは絵の本物の要素ですが、カラースタディが担うものではなく、追いかけることこそ台無しにする一番の近道です。習作が小さな完成画のように見えたなら、時間をかけすぎています。
カラースタディとバリュースタディ
カラースタディとバリュースタディは、二つの別々の問いに答えます。この切り分けを理解することが、どちらを使うときにも鍵になります。バリュースタディは色を取り去り、対象をいくつかのグレーの調子に還元します。明暗のパターンが破綻せずに成立しているかを見るためです。カラースタディは色を残したまま、色相どうしの関係を探ります。暖色と寒色、鮮やかさと鈍さ、そして各色が画面をどれだけ満たしているかです。
バリュースタディは、明暗の構造が部屋の向こうからでも読めるかを問います。カラースタディは、これらの色は調和するか、どう混ぜればよいかを問います。明度は骨格です。色はその上に重ねられるすべてです。だから多くの画家はまずバリュースタディを、次にカラースタディを行います。自立しない構造の上で色を解いても意味がないからです。
まだ調子を計画していないなら、そこから始めてください。描く前にバリュースタディを行う方法の完全ガイドでは、二値のノータン、調子のグループ化、そして巨匠たちの光の計画のしかたを扱っています。カラースタディは、描く前に見るという同じ習慣の、次の一層です。
カラースタディを機能させる順序
色は決まった順序で合わせます。まず明度、次に色相、次に色温度、最後に彩度です。四つを一度に判断しようとすることが、色を不可能に感じさせます。一つずつ順に扱えば、それぞれの判断は手に負えます。
まず明度。 色を名指す前に、それがどれだけ明るいか暗いかを決めます。間違った明度に置かれた色は、色相を正しく合わせても救えません。明度が構造を担っているからです。リファレンスを目を細めて見て、ディテールがぼやけて調子だけが残るまで見つめ、ほかの何を気にするよりも先に各形の明度を決めます。
次に色相。 明度が定まったら、その色が実際に何色なのかを問います。「緑」ではなく、どの緑か。黄緑か、青緑か、灰みがかってほとんど緑と呼べないほどの緑か。記憶からではなく、隣の色と比べて名指します。
次に色温度。 それぞれの色が隣の色より暖かいかクールかを問います。色温度はほとんど常に絶対ではなく相対的で、平坦な色をフォームに当たる光へと変える性質です。Draw Paint Academyの解説は、直射日光の下での古典的な初期値として「暖色の光にクールな影」を示していますが、正直な原則は、影の色温度はその影に届く光しだいだということです。画家のための色温度のガイドでは、その原則が成り立つ場面と崩れる場面を扱っています。
最後に彩度。 ようやく鮮やかさを判断します。現実の光が、いたるところに純粋で鮮やかな色を届けることはめったにありません。曇天の光はすべてをグレーへ向けて鈍らせ、低い太陽はオレンジを最も鮮烈にまで押し上げます。彩度はチューブから出したままの色ではなく、場面の光に合わせます。鮮やかな色と鈍い色を互いに見誤ると、絵は派手になるか、死んでしまいます。
色ではなく、関係を塗る
カラースタディで最も大切な原則は、一つひとつの色を単独で塗るのではなく、色と色の関係を塗るということです。どんな色にも固定された見え方はありません。あるグレーは青の隣では暖かく見え、オレンジの隣ではクールに見えます。鈍い赤はニュートラルの隣では鮮やかに見え、純粋な赤の隣では冴えなく見えます。目はどの色も隣人と連れ立って読み取ります。だから各パッチを孤立させて「正しく」合わせたカラースタディでも、全体としてはまるで間違っていることがあるのです。
だからこそカラースタディは、スポイトで拾ったヘックス値の一覧よりも価値があります。正確な色のパレットは、その色が何であるかは教えてくれます。しかし、色どうしがどう振る舞うかは教えてくれません。絵を成立させるのは、まさにその情報です。風景画家のミッチェル・アルバラは、習作を「その対象の光の色を、どの絵の具とどの混色が翻訳してくれるか」を見つける場所と位置づけ、「一連のカラースタディは、写真の色が差し出す単一でしばしば限られた選択肢から画家を解き放つ」と述べています。あなたは色を写しているのではありません。色がどう働くかを学び、次の絵で使える語彙を築いているのです。
小さく描く
カラースタディは小さく、たいていは長辺で数インチに収めます。ミッチェル・アルバラは探るための習作を「おそらく4、5インチ」で描き、中には「4×3.5インチ」ほどの小ささのものもあります。これは近道でも妥協でもありません。小ささこそ、習作にその役目を果たさせる仕組みです。
小さな習作は単純化を迫ります。たとえ誘惑されても、ディテールを入れる余地がないからです。数インチの画面は惜しむほどのものではないので、手はおおらかに保たれます。そして速いので、丁寧な絵を一枚描く時間で、同じ対象に対して三つも四つも異なる色の解を描けます。速さこそが習作を本物のテストに変えます。あなたは選択肢を比べているのであって、一つを守っているのではないからです。画面に対して大きめの筆を使いましょう。Draw Paint Academyの解説が勧めるとおり、まさに「単純化がずっと楽になる」からです。
写真からカラースタディを行う方法
リファレンス写真からカラースタディを作るには、順序を守り、小さく速く保ちます。
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リファレンスを単純化する。 場面をいくつかの大きな色の形に還元します。Draw Paint Academyの解説が勧める三つの問いを立てましょう。最も暗い色はどれか、最も明るい色はどれか、最も強く鮮やかな色はどれか。この三つが習作全体の錨になります。
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明度の構造を置く。 各大きな形を、まず正しい明度で、平坦に、ぼかしなしで置きます。色相に触れる前に、写真を目を細めて見て、明暗のパターンが合っているか確かめます。
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色相を互いに合わせる。 ここで実際の色を混ぜます。「こうあるべき」という思い込みに対してではなく、隣の形に対して一つひとつを判断します。
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色温度と彩度を押し出す。 暖色とクールがどこに宿るかを決め、場面の光に合わせて各領域を鈍らせたり鮮やかにしたりします。ここが、生気のない写しと、光の感じを捉えた習作とを分ける工程です。
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早めにやめる。 色の関係が読めたら、それで完了です。ディテールは目的ではありません。描き込みすぎた習作は、もう何も教えてくれません。
この過程で難しいのは、絵を描くことではありません。工程2と工程4、つまり「見ること」です。写真から明度、色温度、彩度を目だけで判断するところで、多くの習作はつまずきます。それには理解しておく価値のある理由があります。
巨匠の絵からカラースタディを行う方法
巨匠から色を学ぶには、一枚を模写します。憧れの絵がどう組み立てられているかを分析し、その色の関係を自分の小さな習作の中に組み立て直します。巨匠の模写は初心者の松葉杖ではなく、画家が己を鍛えてきた最も古い方法の一つです。エドガー・ドガはルーヴルに模写家として登録し、自らの様式を確立したのちも「中年になってなお熱心な模写家」であり続けました。巨匠の模写の狙いは絵を贋作することではありません。その色の論理の内側に入ることです。どの調和が全体をまとめているか、暖色とクールがどこに落ちるか、色は実際どれだけ鮮やかか、そして各色が画面をどれだけ占めているか。
巨匠の模写は、カラースタディが頼りにする判断そのものを研ぎ澄まします。ヨハネス・フェルメールの鈍く銀色に光る光を合わせようとすると、彼が純粋な色をいかに少ししか使わず、色温度をいかに丁寧に制御していたかに気づきます。1665年ごろに描かれ、ハーグのマウリッツハイス美術館に収められたフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』が光り輝いて見えるのは、まさにその多くが抑制されているからです。それは眺めているだけでは見えません。その色を分解してはじめて見えます。Undertoneがこの絵をサンプル画像として同梱しているのは、まさにこの理由からです。アプリを開いたその最初から、巨匠の色を分析できます。
写真から色を合わせるのがなぜ難しいのか
色を目で合わせるのが難しいのは、視覚系があなたに必要な情報を積極的に隠しているからです。脳は、物体に当たる光が変わっても、その物体の色を一定に保ちます。だから白い壁は、暖かい電球の下でもクールな昼光の下でも白く見えます。これが色の恒常性で、「さまざまな照明条件の下でも、物体の知覚される色を比較的一定に保つ、人間の色知覚系の働き」と説明されます。世界を生き抜くには役立ちますが、それを描くには致命的です。あなたが研究しようとしている色温度と明度の変化こそ、脳が補正して消し去っている当のものだからです。
画家には対処法があります。目を細めるとディテールがつぶれ、どの色も単独で判断するのではなく、明度と色温度の大きな塊どうしを比べられます。グレーのカードに開けた小さな穴で色を孤立させると、脳が「補正」に使う周囲が取り除かれ、そのパッチを実際に近い姿で見られます。どちらも助けになります。それでも、どちらも自分の知覚との戦いであり、色の判断が難しくなるほど、脳はあなたに逆らって働きます。ここが、リファレンスを当て推量するより測るほうが勝る地点です。
Undertoneが「見ること」を一瞬にする仕組み
Undertoneは、カラースタディの「見る」部分を肩代わりします。リファレンス写真や巨匠の絵に向けると、色の構造を直接測ります。だから、目を細めて当て推量していた判断が、一つの色を混ぜる前にただ読み取れるものになります。
カラースタディが依って立つ四つを与えてくれます。パレットは、支配的な色を、画像の中で実際に占める面積の大きさで表示します。だから、ほとんどが暖色のニュートラルで、小さくクールなアクセントが差すリファレンスは、そのままの姿で見えます。そして各見本は、でっち上げた名前ではなく、実際の顔料ライブラリ、カドミウムイエロー、ペインズグレーといった名前で示されます。カラーハーモニーのビューは、それらの色を色相環上に配置し、全体をまとめている関係が、補色か、類似色か、トライアドか、分割補色か、モノクロマティックか、あるいは正直どれでもないかを教えてくれます。これが「うまくいく」を「こうだからうまくいく」に変える配色の語彙です。色温度マップはピクセル単位の暖寒分析を行い、暖色とクールが実際にどこに落ちるかを見せます。これが、輝く影と濁った影との差です。明度構造は画像を平坦な調子のゾーンにポスタリゼーションし、二値の分割からより細かい段階まで示すので、明暗の骨組みが紛れもなく見えます。彩度のビューは、画像全体で色が実際どれだけ鮮やかかをマッピングします。
画像の分析はすべて端末上で動き、アカウントもアップロードもありません。画像が端末から出ることはありません。パレット、ハーモニー、色温度、明度、彩度のビューは無料で、分析は20件まで手元に置けます。構図ガイド、コントラストの焦点マップ、パレット色の明度バンド、無制限の履歴、フル解像度の書き出しは、サブスクリプションではなく買い切りです。
これらは習作そのものの代わりにはなりません。絵の具は自分で混ぜますし、学びは混ぜることの中に宿ります。代わりになるのは、過程の入り口にある当て推量です。当てて直すのではなく、カラースタディは見て混ぜるになります。バリュースタディが調子にもたらし、ゾーンパレットのような限定パレットが混色にもたらすのと同じ切り替えを、Undertoneは色にもたらします。取りかかる前に構造を理解できるので、絵は希望ではなく明晰さから始まります。
Undertoneは、どんな写真や絵画も、パレット、カラーハーモニー、色温度、明度、彩度、構図、コントラストで分析します。画像の分析は端末上で行われ、アカウント不要、サブスクリプションなしの買い切りです。iOSとiPadOS、macOS、Androidで利用できます。