アーティスト向けのグリッドアプリで2026年に一番おすすめなのは、Overgridです。どんな参照写真にも調整できるグリッドを重ね、実際のキャンバスに合わせてサイズを決められます。さらに、絵を描くために必要な明度スタディ、暖色と寒色を示す色温度マップ、どんな画像でも見やすいグリッドの色が加わります。iPhone、iPad、Mac、Androidで動作し、広告はなく、アップグレードは買い切りです。

以下では、グリッドアプリ7本の特徴を、良い点も注意点も正直に比較します。グリッド法そのものは、古くから実証されてきた技法です。技法や歴史、大きなキャンバスへの拡大方法まで知りたい方は、グリッド法の完全ガイドをご覧ください。この記事で扱うのはアプリです。2026年6月に公開し、2026年10月に、App StoreとGoogle Playの掲載情報をすべて確認し直しました。確認したのは、価格、広告、サブスク、対応プラットフォーム、評価、機能、最終更新日です。価格は米国ストアの価格で、国によって異なります。

グリッドアプリ一覧

アプリ 対応プラットフォーム 支払い方法 広告 絵画向けツール
Overgrid iPhone、iPad、Mac、Android 無料、任意で買い切りのアップグレード なし 明度スタディ、色温度、アダプティブカラー
Grid Painter iPhone、iPad、Mac 2.99ドルの買い切り なし ノタンとバリューの表示
CopyIt iPhone、iPad、AppleシリコンのMac 19.99ドルの買い切り なし グレースケールと明度の表示、色合わせ
DrawinGrid iPhone、iPad、Android 無料、一部有料 あり なし
Grid # - Add grid on image iPhone、iPad 無料、3.99ドルのアップグレード あり なし
GridArt iPhone、iPad、Android 無料、週額または月額のサブスク あり スケッチフィルター、白黒
Da Vinci Eye iPhone、iPad、Android 無料、月額または年額のサブスク あり 明度のレイヤー(グリッドではなくARプロジェクター)

このカテゴリーの全体像

グリッドアプリは大きく3つのグループに分かれます。自分が見ているのがどのグループかがわかると、お金もストレスも節約できます。

まず、目につきやすい無料アプリです。多くは広告かサブスク、またはその両方で成り立っています。負担は価格ではなく使い心地に表れ、しかもその傾向は広がっています。長く広告なしで愛されてきたDrawinGridにも、今は広告が入っています。次に、一度買えば自分のものになる、良心的な買い切りアプリが少数あります。Overgrid、Grid Painter、CopyItです。そしてARプロジェクターがあります。グリッドではなくなぞる方式で、サブスクで運営されているものが多めです。

App Storeのレビューを読み込むと、アーティストが繰り返し求めているものが見えてきます。納得できる買い切り価格、広告なし、プロジェクト数の制限なし、作業内容が外に出ずオフラインで使えること、安定して動くこと。そして欲を言えば、写真に線を引くだけでなく、絵を描くこと自体を助けてくれるツールです。このリストがOvergridを先頭に置く理由であり、ほかのアプリを見るときのものさしでもあります。

1. Overgrid、総合ベスト

Overgridは、画家のために作られたグリッドオーバーレイのアプリです。画像を選んでグリッドを決めると、数秒で表示されます。行、列、線の太さ、不透明度、色を設定でき、線の表示は、全面のライン、ドット、交点のクロスから選べます。構図を分析するための対角線や、マスを数えるための番号表示も加えられます。参照画像は、カスタム比率を含むキャンバスの比率に合わせてトリミングでき、グリッドを引く前に回転や反転もできるので、転写が歪みません。プロジェクトを複製して、同じ写真に別のグリッドを試すこともでき、描いている間は画面が消えません。基本の機能をひと通り押さえ、しかも丁寧に作り込まれています。

Overgridを際立たせているのは、色温度のオーバーレイです。構図全体の暖色と寒色のゾーンを示します。この比較の中で、同じ機能を持つアプリはほかにありません。色温度は、参照画像の中でもとくに見極めにくく、読み違えると絵が平板になりやすい要素です。それをOvergridは画面に映し出します。さらに明度スタディは、参照画像を指定した段階数の明暗に単純化します。ノタンの2段階から8段階まで選べるので、絵の具を置く前に光と影を計画できます(明度スタディに何段階必要かも参考にしてください)。アダプティブカラーは画像を読み取り、暗い森でも明るい空でも見えやすい線の色を選びます。コントラストをオンにすると、グリッドの線一本ずつに縁取りが付き、線が背景に埋もれにくくなります。そしてキャンバスサイズを使うと、実際のキャンバスの寸法をセンチまたはインチで入力するだけで、その面に合わせたグリッドが作られます。壁画サイズの大きな面にも対応します。

無料プランはお試しではなく、実用的なツールです。6色のプリセットカラーが使えるグリッド、3つまでのプロジェクト、やや小さめの保存画像が含まれ、透かしは入りません。プレミアムでは、無制限のプロジェクト、好きなグリッドカラー、アダプティブカラー、キャンバスサイズ、明度スタディと色温度のオーバーレイ、ワンタップで呼び出せるテンプレートの保存、大判の印刷にも使えるフル解像度での保存が加わります。プレミアムは買い切りで、1回の購入で完結します。App Storeの掲載情報にもはっきり書かれています。「すべての機能が買い切りです。サブスクリプションではありません」。アカウントもクラウドも広告もなく、画像は端末の中だけに残ります。

対応プラットフォーム: iPhone、iPad、Mac(App Store)、Android(Google Play)。 価格: 無料。プレミアムは買い切りのアップグレード。サブスクなし。 こんな人に: グリッド、明度、色温度の分析を1本のアプリにまとめ、同じストアアカウントのすべての端末で、買い切りで使いたい画家やイラストレーター。 正直な注意点: Overgridは公開されて間もないため、App Storeの評価はまだ数えるほどで、何年分ものレビューはありません。分析ツールはプレミアムの先にあります。必要なのが単純なグリッドだけなら、無料プランで足りるかもしれません。

2. Grid Painter、手頃な次点

bigpantsgroupのGrid Painterは、本当によくできたアプリで、ここにある有料アプリでは最も安く買えます。参照画像に調整できるグリッドを重ねるだけでなく、単純なマス目の先まで備えています。グリッドのスタイルがいくつかあり、黄金比や、標準・カスタムのキャンバスサイズにも対応します。姉妹アプリNotanIzerのエンジンを使っているので、参照画像をカラー、グレースケール、ノタン、3段階、4段階で見られます。画家が求める明暗の計画そのものです。トリミング、プロジェクトの保存、印刷もでき、Macではネイティブで動きます。あるレビュアーは魅力をこう表しています。「使い方がとてもすっきりしていて、必要なことはすべてできる」。

App Storeでは397件の評価で4.82と、長いレビューの歴史があるアプリの中では最も高い平均評価です。価格は2.99ドルの買い切りで、アプリ内課金はありません。できないことは、色温度のオーバーレイがないこと、そしてAndroid版がないこと。さらに、2021年11月から更新されていません。今でも動きますが、改良を続ける人はいません。

対応プラットフォーム: iPhone、iPad、Mac(App Store)。Android非対応。 価格: 2.99ドルの買い切り。サブスクなし。 こんな人に: 明度スタディと黄金比のグリッドを、できるだけ安く使いたいApple派の人。 正直な注意点: 色温度のオーバーレイなし、Android非対応、5年近く更新なし。

3. CopyIt、多機能のベテラン

Nigel GreenのCopyIt The Grid Drawing Methodは、2010年からApp Storeにあり、ここで最も長い歴史を持つアプリです。今も開発が続いていて、最後の更新は2026年4月です。掲載情報の冒頭には、多くのアーティストが歓迎しそうな一文があります。「CopyItはシンプルな買い切りに戻りました」。

ツールは盛りだくさんです。行と列を自由に設定できる6種類のグリッド、デジタル定規、パース線、十字線、最大20倍のズーム、鉛筆スケッチフィルター、オニオンスキン、グレースケールフィルターとブロック状の明度スタディ用のTonal Strip、そして絵の具や色鉛筆の色を探すTubeMatchとMixMap。2枚目の参照レイヤーを使えば、写真と制作途中の絵のあいだをフェードで切り替えて、ずれを確認できます。評価は297件で4.68です。

対応プラットフォーム: iPhone、iPad、AppleシリコンのMac(iPadアプリとして動作)(App Store)。Android非対応。 価格: 19.99ドルの買い切り。サブスクなし。 こんな人に: Apple製品で最も充実した道具箱が欲しく、その分の価格を気にしないアーティストや美術の先生。 正直な注意点: ここで最も高い価格。ツールが多いぶん画面は込み入っています。色温度のオーバーレイなし、Android非対応。

4. DrawinGrid、一番人気の無料グリッドアプリ

ButterflyRayのDrawinGridは、アーティストが互いに一番すすめ合う無料のグリッドアプリで、数字もそれを裏づけています。App Storeでは5000件を超える評価で4.74、Google PlayではDrawing Gridという名前で、100万回以上インストールされ、評価は4.8です。更新も活発で、直近は2026年9月です。

一方で、変わった点もあります。DrawinGridは長く広告なしの無料アプリでしたが、今は広告が表示されます。Google Playには「広告を含みます」の表示があり、App Storeには、Proの各プランと並んで、10.00ドルの広告削除の課金があります。グリッドの先へも広がり、AR表示でのなぞり描き、画面上でのなぞり描き、制作時間の記録、クラウド同期、AIによるタイトル提案、公開ギャラリーが加わりました。開発元のサイトが「任意のアプリ内課金とサブスク」として挙げているのは、アカウントが必要なこれらの機能です。グリッド自体は無料のままです。ただ、絵画の作業台ではありません。明度スタディも色温度マップもなく、Mac版もありません。

対応プラットフォーム: iPhone、iPad(App Store)、Android(Google Play)。 価格: 無料、広告あり。広告削除とProのプランは有料。 こんな人に: なぞり描きのツールもある、実績のある無料グリッドが欲しく、広告が気にならない人。 正直な注意点: 課金しなければ広告が表示されます。分析ツールはなく、機能はアカウントやサブスクの方向へ寄りつつあります。

5. Grid # - Add grid on image、手軽なユーティリティ

Grid # - Add grid on imageは、ここで最もシンプルなアプリで、評価数も最多クラスです。App Storeでは10,000件を超える評価で4.61です。写真に長方形または正方形のグリッドを重ねられ、線の色はRGBで自由に選べ、透明度、1〜20の線の太さ、画像からのスポイトにも対応します。参照画像に線を引いて、すぐ描き始めたいだけなら、手早く使えます。

一部の機能は有料です。3枚目のグリッドレイヤー、動かしたり回転したりできるグリッド、正方形グリッドの1種類は、アプリ自身の説明でProの機能とされ、「More features & Remove Ads」という3.99ドルの課金1回で解放されます。プライバシーラベルには、第三者の広告が記載されています。最後の更新は2024年4月です。明度や色温度の分析はなく、画家の考え方に沿って作られたものではない、汎用の写真グリッドのユーティリティです。

対応プラットフォーム: iPhone、iPad(App Store)。Android非対応。 価格: 無料(広告あり)、3.99ドルの買い切りアップグレード。 こんな人に: 余計な機能はいらず、今すぐ写真にグリッドを入れたい人。 正直な注意点: 無料版は広告あり、アート向けの機能はごくわずかで、2024年4月から更新されていません。

6. GridArt、露出は高いが収益化に難あり

GridArtは、とくにAndroidで目立つグリッドアプリの一つです。インストールは100万回を超え、約14,000件の評価で4.3です。グリッドの機能は充実していて、更新も続いています。対角線、正方形のグリッド、ラベル付きの行と列、ミリ・センチ・インチでの寸法指定、スケッチフィルター、白黒への変換、アスペクト比に合わせたトリミングがあり、2025年の終わりからは、カメラ越しのAR描画も加わりました。App Storeでは218件の評価で4.54です。

何度も挙がる不満は、アプリ自身のApp Storeレビューにもあるとおり、収益化の方法です。ダウンロードは無料ですが、両ストアで広告ありと表示され、App Storeには週額のGridArt Weekly Premiumが3.99ドル、月額のMonthly Premiumが12.99ドルで掲載されています。レビュアーは広告が「絶えず表示される」と書き、それが理由でアンインストールした人もいます。グリッドそのものへの批判ではありません。グリッドはきちんと動きます。あくまで、その周りの体験についての正直な注意です。

対応プラットフォーム: iPhone、iPad(App Store)、Android(Google Play)。 価格: 無料。広告あり、機能の解放には週額または月額のサブスク。 こんな人に: 機能の多いグリッドが欲しく、広告やサブスクが気にならないAndroidユーザー。 正直な注意点: レビュアーが一貫して指摘する、広告の多さとサブスクによる機能制限。

7. Da Vinci Eye、ARという別の道

Da Vinci Eyeはグリッドアプリではありません。それでも載せたのは、グリッドアプリを探しているアーティストが、実のところ画像の転写方法を知りたい場合が多いからです。Da Vinci Eyeは拡張現実(AR)のプロジェクターで、いわばデジタル版のカメラ・ルシダです。カメラ越しに参照画像を紙やキャンバスに重ねて、なぞって描けます。画像を明るさごとにレイヤーに分けて、暗部と明部の置き場所を示すこともできます。この分野で最もレビューが多く、App Storeでは12,000件近い評価で4.55。投影の性能は確かです。

運営はサブスクです。App Storeには、月額は1.99〜9.99ドル、年額は9.99〜49.99ドルのプランが並んでいるので、申し込む前に各プランの内容を確認してください。負担になるのは金額よりも仕組みです。使い続ける限り払い続け、解約するまで自動で更新されます。グリッドを目で追って描くより、投影してなぞりたいなら、これが明らかな選択肢です。ただ、課金の仕組みを知ったうえで使い始めてください。

対応プラットフォーム: iPhone、iPad(App Store)。開発元のサイトによると、AndroidとApple Vision Proにも対応しています。 価格: ダウンロードは無料、月額と年額のサブスク。 こんな人に: 壁画家、そしてグリッドで描くより、投影した画像をなぞりたい人。 正直な注意点: グリッドではなくプロジェクターで、解約するまで自動更新されるサブスクで運営されています。

注目の新作グリッドアプリ

Photorealism: Grid Methodは、フォトリアリズムの作家Dylan Eakinが設計し、2026年9月に公開されました。カスタムのグリッド、参照画像のレイヤー分け、描き終えたマスの数の記録、描いた絵と写真の比較ができます。公開直後の評価は79件で4.95と高く、無料版には広告が表示され、広告削除の課金があります。順位をつけるには新しすぎますが、鉛筆でリアルな絵を描く人は、注目しておくとよいでしょう。

グリッドアプリの選び方

まず、支払い方法から考えましょう。グリッドは完成された道具です。動かし続けるのに、サーバーもアカウントも毎月の更新もいりません。だからサブスクは、価値が逆向きに流れている状態です。Overgrid、Grid Painter、CopyItは買い切りです。GridArtとDa Vinci Eyeはサブスクで課金します。これほど単純な道具を何年も使うなら、その差は積み重なります。

次に、自分が何をするのかを考えましょう。鉛筆で描くなら、課題のほぼすべてはプロポーションで、単純なグリッドで解決します。無料でこなせるアプリはいくつかあり、それぞれ別のかたちで代償があります。絵を描くなら、プロポーションのすぐ後に明度と色の判断がくるので、分析ツールを備えたアプリが役に立ちます。そうなると候補は、明度、色温度、アダプティブカラーを持つOvergridと、バリューの表示を持つGrid Painter、CopyItに絞られます。色温度のマッピングが制作に大事なら、備えているのはOvergridだけです。Androidなら、Apple専用のGrid PainterとCopyItは外れます。

最後に、プラットフォームとプライバシーを比べましょう。ソファのiPad、机のMac、外出先のAndroidスマホを行き来するなら、この4つすべてに専用アプリがあるのは、ここではOvergridだけです。普段Procreateで描いている方は、内蔵のグリッドに知っておきたい弱点があります。Procreateのグリッドが参照写真に使えない理由で解説しています。そして参照写真をサーバーに一切置きたくないなら、アカウント不要でオフラインで動くアプリを選びましょう。Overgridもその一つです。

結論

2026年、ほとんどのアーティストにとって最良のグリッドアプリはOvergridです。実際のキャンバスに合わせたきれいなグリッド、ほかのアプリにはない色温度のオーバーレイを含む絵画の分析、4つのプラットフォーム、広告なし、サブスクではなく買い切り。Grid PainterはApple製品で手頃な次点で、バリューの表示がありますが、2021年から更新されていません。CopyItは最も充実した道具箱で、価格は高めの買い切りです。DrawinGridは一番人気の無料グリッドですが、今は広告があります。Grid # - Add grid on imageは手早いシンプルなユーティリティ。GridArtは広告とサブスクを許容できるなら多機能です。Da Vinci Eyeは、描くかわりに投影してなぞりたいときの一本です。

まずはOvergridの無料グリッドから始めてみてください。絵を描いていて、明度スタディ、色温度、キャンバスサイズのツールが欲しくなったら、アップグレードは買い切りで、1回きりです。OvergridはiPhone、iPad、MacとAndroidで利用できます。